交通政策基本計画㉛

④ 2020 年の東京オリンピック・パラリンピックの開催とその後を見据えた取組を進める

(趣旨)
東京オリンピック・パラリンピックを契機に、開催後も見据えた我が国の交通サービスレベルの飛躍的な発展を目指す。

(進め方)
○2020 年東京オリンピック・パラリンピックの開催にむけ、まずは期間前後を通じた円滑な受入・輸送体制、サービスレベルの一層の向上を図るため、首都圏の移動ネットワークのさらなる充実、海外からの訪日外国人旅行者への多言語での情報提供など、具体的な取組を進める。
○東京オリンピック・パラリンピックの開催とその後を見据え、様々な交通分野でのサービス向上については、東京だけでなく全国各地へも波及させ、国全体としてサービスレベルの一層の向上を図る。
○さらに、我が国における交通分野での信頼性の高さや先駆的な取組を世界に発信する絶好の機会ととらえ、観光施策とも密接に連携しつつ、具体的な取組を進める。
○上記と併せ、2020 年オリンピック・パラリンピック東京大会特別仕様のデザインを施した自動車のナンバープレートの交付等により、国民的機運の醸成、意識の高揚を図る。

おわりに
本計画は、交通分野全般に関し、交通政策基本法に基づき政府全体として策定する初めての基本計画である。
本計画は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される 2020 年を目標年次としている。交通政策基本法に規定する交通に関する各種の国の施策の方向性を踏まえつつ、「豊かな国民生活に資する使いやすい交通の実現」、「成長と繁栄の基盤となる国際・地域間の旅客交通・物流ネットワークの構築」、「持続可能で安心・安全な交通に向けた基盤づくり」の3つの基本方針のもとに、各施策の目標を数値目標も含めできる限り分かりやすく示している。そして、目標の各々について取り組むべき施策については、これまでの取組を更に推進していくものに加え、取組内容を今後新たに検討するものについても、できるだけ計画に盛り込み、時代の変化に即応した積極果敢な政策展開を促進することとしている。
本計画に基づく施策の推進に当たっては、「交通安全基本計画」等による交通の安全の確保に関する施策との十分な連携を確保するとともに、「国土形成計画」や「社会資本整備重点計画」、「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」、「国土強靱化基本計画」、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」とも連携・整合を図ることとしている。また、国、自治体、事業者、利用者、地域住民等関係者は、交通政策基本法に定められたそれぞれの責務や役割を認識した上で、十分な連携・協働を図っていかなければならない。さらに、本計画の実現性を担保するためには、施策の実施状況について適切なフォローアップを行うことが極めて重要である。その際には、サービス水準の「見える化」を一層進めるとともに、関連する各種計画の最新の数値指標を適切に反映させることが重要である。
本計画を着実に推進することにより、我が国が直面する経済社会面の大きな変化に的確に対応し、将来にわたって国民生活の向上と我が国の発展をしっかりと支えることができる交通体系を構築していかなければならない