交通政策基本計画 ⑬

基本的方針B.成長と繁栄の基盤となる国際・地域間の旅客交通・物流ネットワークの構築
我が国が、持続的な経済成長と繁栄を遂げていくためには、我が国の産業、観光等の国際競争力を強化し、人と物が行き交う「場」としての我が国の魅力を高めていくことが不可欠である。
特に、近隣のアジア諸国との厳しい競争に打ち勝つとともに、これら地域の成長を我が国に取り込んでいくには、国際交通ネットワークの要である国際空港や国際港湾の機能強化が必須である。
国際航空の分野では、近年著しい発展を遂げている低コスト航空会社(LCC)の利用促進に向けた環境整備が急務となっている。また、国際海上輸送では、パナマ運河の拡張事業に伴う船舶の大型化など、国際交通を取り巻く大きな環境変化に対応した港湾機能の強化が必要である。
一方、人口が減少する中で、国内の経済活動を刺激しつつ成長を維持するには、域外の人々の活力を取り込むことが必要であり、国内の各地域間の「交流人口」の増加や、モノの流動の促進が極めて重要である。このため、国内の幹線交通ネットワークのさらなる充実や交流拠点の強化を図る必要がある。
こうした経済効果は、海外から我が国を訪れる外国人観光客の増加によってももたらされる。我が国は、2020 年の東京オリンピック・パラリンピックを契機に、これを 2,000 万人に引き上げ、更には 2030 年には 3,000 万人を超えることを目指しているところであり、観光施策と密接に連携した交通ネットワークの機能強化や利便性向上に取り組むこととする。
また、我が国の交通インフラの海外展開を促進することは、世界の国々が抱える交通に関する課題の解決に資するとともに、我が国の交通に関連する産業の成長にも寄与するものであり、ひいては我が国の交通サービスのさらなるレベルアップにつながるものと考えられる。