交通政策基本計画 ②
第1章 交通政策を巡る動きと基本認識
1. 交通政策が対応すべき社会・経済の動き
① 人口急減、超高齢化の中での個性あふれる地方創生
我が国は、2008 年をピークとして人口減少局面に入っており、現状のまま推移すると、2047 年頃から人口が1億人を割り込んで、2060 年頃には総人口は 8,700 万人となり、その約 25%が 75 歳以上になることが予測されている。また、生産年齢人口は 2030 年には現在の約8割、2060 年には現在の半分近くまで減少し、生産・消費ともに縮小のおそれがあり、地方の創生が極めて重要となっている。
② グローバリゼーションの進展
アジアの新興国の成長等により、国家間・都市間の競争がますます激化するとともに、国内外における日本人と外国人の交流が深化・拡大していくことが見込まれる。
③ 巨大災害の切迫、インフラの老朽化
首都直下地震、南海トラフ地震の 30 年以内の発生確率は 70%と言われている。また、高度経済成長期に整備された交通インフラの老朽化が深刻な状況にある。
④ 地球環境問題
地球温暖化により、極端な降水現象の増加、雪氷の減少などの気候の変動や海面水位の上昇など、地球環境全体への影響が進行している。また、交通負荷の集中による大気汚染や騒音等に係る問題が、依然として存在している。
⑤ ICT の劇的な進歩など技術革新の進展
コンピュータの処理能力が飛躍的に発展・普及しており、それらも活用させた新技術が、社会のあらゆる分野で急激に進展し、国民等の生活に着実に根付いてきている。
⑥ 東日本大震災からの復興
東日本大震災からの復興・復旧は、交通分野においても、引き続きスピード感を持った対応が求められる重要な課題であり、東京電力福島原子力発電所の事故の被災地についても、避難指示の解除に併せた対応が必要となっている。
⑦ 2020 年の東京オリンピック・パラリンピックの開催
2020 年の東京オリンピック・パラリンピック開催は、国を挙げて成功を目指すべき世界的イベントであるとともに、我が国のサービスレベルの高さを世界にアピールできる絶好の機会である。