交通政策基本計画㉙
② 国、自治体、事業者、利用者、地域住民等の関係者が責務・役割を担いつつ連携・協働する
(趣旨)
専ら事業者が交通サービスを提供する時代から、住民・利用者も含め幅広い関係者が社会経済環境の変化に的確に対応した交通のあり方を共に考え、支える時代へ転換する。
(進め方)
○サービス水準の見える化、事業者間・モード間・国内外等の比較、評価等を適切に実施するためには、その前提となる様々な交通に関する情報を関係者が共有し、効果的に活用することが必要である。
○このため、国などが保有する公共データについては積極的に公開するとともに、交通事業者が保有する交通に関する様々なデータについても、可能な限り国民の利用に供することとすることが必要であり、関係者の理解と協力を得るための取組を早急に進める。その際には、個人情報の保護など、データの活用のための環境整備や、サービス水準等の客観的な把握などに向けた仕組みの構築についても併せて検討することとする。
○とりわけ、人口減少を背景とした地域公共交通ネットワークの再構築に当たっては、地域の自治体が中心となって、交通事業者、利用者を含む住民、地元企業や NPO など、広範な関係者における協力と連携を図ることが欠かせないところであり、地域公共交通再編に係る地元協議会の実効性確保等を促進することが重要である。
○また、交通政策を効果的かつ円滑に進めるためには、国民の役割として交通政策に対する理解や協力、参加が極めて重要であることから、エコドライブ、公共交通機関の利用促進、交通教育などのモビリティ・マネジメントの推進、交通に関するマナーの普及・啓発、過積載の防止など交通インフラの適切な利用促進、物流政策の積極的 PR など、様々な機会を捉えた国民に対する理解の増進等の取組を進めることとする。
○効率的で持続可能な交通サービスを提供するには、個々の地域や事業の状況に応じて行政と民間が密接に連携しつつ、それぞれの長所を最大限発揮していくことが望ましいため、PPP/PFI といった手法を積極的に導入していくことが求められる。
○交通サービスの向上に当たっては、個々の事業主体ごとにサービスが提供されていることから、複数のモード・事業者をまたぐ部分でのサービス水準の確保が疎かになりがちである。
○このため、例えば乗継ぎの際の導線やシームレスな情報提供、さらには仕様の共通化など、複数のモード間の役割分担と連携(ベストミックスの実現)や事業者、施設管理者等の関係者の連携等によるサービス向上を積極的に推進することが必要である。