特別積合せ貨物運送事業への新規参入を満たす基準についてのまとめ <全ト協ハンドブックより>
特別積合せ貨物運送の場合には、先の一般貨物運送事業の許可の基準のほかに、特別積合せ貨物運送に特有な許可基準が加わります。特別積合せ貨物運送は、不特定多数から発生する小口貨物を対象として、定期に積合せ輸送を行う輸送サービスであるため、合理的な小口積合せ輸送システムを採用する必要があるとともに、誰もが容易にかつ公正に利用できる体制をとる必要があります。そのため、特別積合せ貨物運送では、一般貨物運送事業の許可基準に加えて固有の許可基準が設定されています。
すなわち、事業所における必要な積卸施設の保有および管理、事業用自動車の運転者の乗務の管理、積合せ貨物の紛失などの事故防止、その他特別積合せ貨物運送を安全かつ確実に実施するため特に必要となる事項に関し適切な計画を持っていることが基準になっています。
この基準となる項目は、次に示すようなものです。
① 荷扱所
営業所において、荷物の仕分けができるスペースがない場合は、荷扱所を設置する必要があります。
荷扱所とは事業者が自らの事業用自動車を配置せず、かつ、②のような積卸施設を整備しているものをいいます。また、他の事業者の営業所や荷扱所を自社の荷扱所とすることも可能です。なお、宅配便の取次店などは、荷扱所に含まれません。
② 積卸施設
● 営業所または荷扱所などへ併設してあること。
● 使用権原を有すること。
● 都市計画法ならびにその関係法令に抵触しないこと。
● 施設は、貨物の積卸機能のみならず、荷捌き・仕分機能、保管機能を
有するものであること。
● 施設の取扱能力は、その施設の運行系統・運行回数に見合うものであ
ること。
③ 営業所および荷扱所の自動車の出入口
複数のトラックを同時に停留させることのできる積卸施設を有する営業所および荷扱所については、その営業所および荷扱所の出入口の設置が、出入口の接する道路における道路交通の円滑と安全を阻害しないこと。
④ 運行系統および運行回数
● 運行系統毎の運行回数は車両数、取扱貨物の推定運輸数量、積卸施設の取扱能力などから適切なものであること。
●取扱貨物の推定運輸数量は、算出基礎が的確であること。
● 運行車の運行は、少なくとも1日1便以上の頻度で行われるものであること。ただし、一般的に需要の少ないと認められる島しょ、山村などの地域における区間では、1日1便以下でも差支えない。
⑤ 積合せ貨物管理体制
● 貨物の紛失を防止するための適切な貨物追跡管理の手法または設備をもっていること。
● 貨物の滅失・き損を防止するために、営業所・荷扱所において適切な作業管理体制をもっていること。
● 貨物の紛失などの事故による苦情処理を的確・迅速に行える体制をもっていること。
⑥ 運行管理体制
運行に係る乗務基準が勤務時間等基準告示(平成13年国土交通省第1365号)に適合するものであること。