総合物流施策大綱(2021 年度~2025 年度)㉓
③ 労働環境改善に資する幹線輸送の更なる推進
複数のトラックドライバーが中継拠点を活用して長い輸送行程を分担することにより、ドライバーの拘束時間の短縮や日帰り運行を実現する「中継輸送」の普及・実用化に向けて、「中継輸送の取組事例集」などを活用し、引き続きトラック事業者の中継輸送の取組を促進する。また、スワップボディコンテナの活用等により荷役分離を推進するなど、更なる拘束時間の短縮に努める。また、ドライバー不足対策や物流効率化を図るため、ダブル連結トラックの幹線物流での普及
促進や、ドライバーの休憩環境の改善を図るため、SA・PA における駐車マスの整備や、駐車場予約システムなどの検討を推進する。さらに、SA・PA 等を活用した中継輸送、物流施設とのアクセスを強化するなど幹線物流に資する高速道路の機能を強化するほか、「道の駅」を活用した休憩サービスの拡充等高速道路外の休憩施設の活用も推進する。加えて、海上輸送等の活用によるモーダルシフトは長距離ドライバーの負担軽減など働き方改革につながるとともに、トラックドライバーのフェリー乗船時間について厚生労働省の改善基準告示の特例の適用を受けられることから、今後もこれを積極的に推進する。
④ 労働環境改善に資する物流施設の生産性向上
トラックドライバーの労働力不足対策等の観点から、輸送網の集約化やトラック予約システムをはじめとしたデジタル機器等の導入による荷待ち時間の削減が図られている生産性の高い物流施設について、改正物流総合効率化法のスキーム等を活用しながら更に整備を促進する。この際、同法の活用状況や物流を取り巻く環境の変化等を踏まえつつ、倉庫等の物流施設自体の高度化を図るなど更なる生産性向上が図られるよう取組を推進する。また、同法のスキームも活用しなが
ら、物流効率化の機能を有する物流施設について財政融資により金融面から整備を支援する。