交通政策基本計画㉗
第3章 施策の推進に当たって特に留意すべき事項
交通に関する上記のような施策を計画的に推進し、実現していくに当たっては、常に国民、とりわけ交通の利用者の視点でネットワークのあり方やサービス水準などについて検証し、絶えず改善していくことが不可欠である。
そのためには、交通に関する現状調査や国民のニーズの把握などを適切に実施するとともに、本計画の進捗状況について評価の仕組みを導入するなど、計画の実効性を高めるための具体的かつ客観的な手法を構築していくことが求められる。
また交通には、その主たる担い手である交通事業者や利用者はもちろんのこと、国、自治体、地域住民など、非常に多くの関係者が関与している。
持続可能でより良いサービスを提供していくには、これら関係者の協力と連携が欠かせず、また、最適な交通ネットワークの実現を図る上では、各モード間のベストミックスを実現していくことが重要である。
その連携を実効性あるものにするためには、それぞれの持つ施設やサービスに関する情報をできる限り共有し、お互いが共通の認識のもとに取組を進めることが重要であり、そのため、公共データの積極的公開や、交通事業者が保有する交通関連データの活用に向けた取組や、そのための環境整備、さらには情報の「見える化」など、「オープンデータ」に向けた仕組みの構築が求められる。
さらに、近年急速に発展しつつある情報通信技術をはじめとする、様々な先端的技術を交通にも積極的に導入することで、交通サービスのイノベーションを喚起するとともに、技術の汎用化やコストダウンなどを通じてその普及を促進し、誰もが容易に新技術の利便性に接することができるようにするべきである。
そして、2020 年東京オリンピック・パラリンピックを本計画の推進のマイルストーンとして、我が国の交通サービスレベルの飛躍的な発展を目指し、その成果を世界に発信していくことが必要である。