法令違反 (3)輸送の安全確保命令

 一般貨物自動車運送事業者が、法や規則で定められた安全管理に関する規定を遵守しておらず、輸送の安全が確保されていないと認めたときには、事業者に対し、是正に必要な措置を講ずべきことを命ずることができるとしています。
 具体的には
●累積違反点数が20点を超えている事業者が、20点を超えることとなった行政処分の日から3年以内に再び輸送の安全確保に係る違反行為に伴い、死亡事故、重傷事故を起こした場合
●安全管理規程の設定及び安全統括管理者の選任義務づけ事業者の場合で、過去3年以内に自動車等の使用停止処分以上の輸送の安全確保に関する違反を行った営業所において再び安全管理規程の遵守を怠り、死亡事故、又は重傷事故を惹起した場合
● 輸送の安全確保に係る違反行為の内容が、社会的に影響のある悪質なものであると認められる場合
●選任されるべき運行管理者数が、規定数を満たしていない、又は処分により満たさなくなる場合
● 選任されるべき整備管理者数が、選任されていない、又は解任により存在しなくなる場合
● 行政処分等の基準により、同一の営業所が、過積載について3年間に3回以上行政処分を受ける場合
● 地方貨物自動車運送適正化事業実施機関が行う巡回指導の結果、総合評価が「E」と判定された営業所について、当該実施機関から当該営業所より、改善結果報告の提出があり以下の全ての項目が未改善である旨、又は、以下の項目に係る改善結果報告の提出が期限内になされない旨の報告があり、その後の当該営業所に対する監査の結果として、以下の全ての項目について、自動車等の使用停止処分以上の違反行為が確認された場合。
   (ア)点呼の実施等が不適切であることが確認されたこと
   (イ)運転者の過労防止等に係る措置が不適切であることが確認されたこと
   (ウ)運転者のうち健康診断を2名以上受診していないことが確認されたこと
●監査において、以下の行政処分等の基準5(1)①から⑤のいずれかに該当する違反が確認された場合。
① 貨物自動車運送事業の事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準が、著しく遵守されていない場合
② 全運転者に対して点呼を全く実施していない場合
③ 営業所に配置している全ての事業用自動車について、定期点検整備を全く実施していない場合
④ 整備管理者が全く不在(選任なし)の場合
⑤ 運行管理者が全く不在(選任なし)の場合
● 「自動車運送事業(一般貸切旅客自動車運送事業を除く。)の監査方針について」に規定する街頭監査等において、交替運転者の配置、運行経路の変更、運行の中止等必要な是正措置を講ずることを指導したにもかかわらず、是正措置が講じられず、当該運転者が安全な運行を継続することができないおそれがあると認められた場合。(※1)
 以上のような場合には、行政処分と合わせて輸送の安全確保命令が発動されます。
(※1については、その場で行われ、下記措置については同様となりますが、運輸支局への呼び出しはありません。)
 その場合、事業者は運輸支局等に呼び出され、違反行為の内容に応じた施設、運転者の指導監督、運行管理の方法等の改善、違反内容の是正に必要な措置を行い、実施状況について命令の日から3か月以内に報告を行うように求められます。もし、期間内に報告を行わない場合には、輸送の安全確保命令違反として取り扱われ、再度、輸送の安全確保命令が出されます。さらに,これに従わなかった場合には、許可の取消処分が行われることになります。