ロジスティクスのリスク
(1)荷主企業のロジスティクスにおけるリスク
業務プロセスや評価制度を見直すことにより防ぐことができるもの
・誤出荷や遅配
・不良品納品による売り上げのロス
・在庫の紛失や盗難
ロジスティクスの活動そのものが、リスクの発生を抑制しうるもの
・売り上げの架空計上
・資産価値の少なくなった在庫
外部要因によって発生するリスク
・天災により納品が遅れる
・石油価格の高騰により物流コストが上昇する
(2)物流活動におけるリスク
・物的損害(商品、輸送機関、倉庫建屋、設備機器など)
・人的損害(従業員の死傷など)
・収益損失の損害(操業停止、休業など)
・第三者への損害賠償責任負担(物的、人的)
・情報システムの損害(操業停止、ソフトウエア―損傷、修復費など)
(3)3PLとリスクマネジメント
荷主は委託している物流業務も含めて、リスクマネジメントを行う必要があります。
受託企業は、荷主企業のリスクマネジメントの枠組み対応した対策を行うことが求められます。
従来の委託(チャーター、営業倉庫保管など)の場合は、契約の中にリスク発生時の責任が明確化されているものの、限定的です。
3PLの場合は、本来、荷主が行うべきリスクマネジメントの一部を担うことになります。
(4)リスクマネジメントの流れ
・リスクの識別
全体的なレベルから業務プロセスのレベルまでさまざまな段階で存在します。
・リスクの評価
全社的リスクと業務別のリスクに分類し、その性質に応じて、リスクの大きさ、発生の可能性、頻度などを分析し、目標への影響を評価します。
・リスクへの対応
評価されたリスクについて、その回避、低減、移転または受容など、適切な対応を選択します。
すべてのリスクについて予防措置を行うと、多大なコストと労力が必要になります。
影響の大きさにより、対応策を選択します。