総合物流施策大綱(2021 年度~2025 年度)㉝

(2)我が国産業の国際競争力強化や持続可能な成長に資する物流ネットワークの構築
① 産業の国際競争力に資する道路・港湾等のインフラ整備の強化
多核連携型の国づくりや安定した物流の確保を可能とする速達性やアクセス性が確保された道路ネットワークを構築するため、重要物流道路について計画路線を含めて指定し、重点的に整備・機能強化を加速する。また、三大都市圏環状道路等の根幹的な道路網の整備を引き続き推進するほか、高速道路の暫定2車線区間の4車線化等の機能強化やトラックの大型化に対応するための機能強化の検討を進める。
北米・欧州等と直接接続する国際基幹航路が日本の港湾に寄港することは、我が国に立地する企業の国際物流に係るコストとリードタイム等の観点から重要である。しかし、アジア諸港におけるコンテナ取扱量の急増、スケールメリットを追求するためのコンテナ船の更なる大型化や、船社間のアライアンスの再編等により寄港地の絞り込みが進展しており、我が国にとって厳しい状況が続いている。そのため、国際コンテナ戦略港湾において、我が国への国際基幹航路の寄港回
数の維持・増加を図り、グローバルに展開する我が国立地企業のサプライチェーンマネジメントに貢献することを政策目標として、国内及び東南アジア等から国際コンテナ戦略港湾でトランシップする貨物の集貨のためのフィーダー航路網の充実及び国際コンテナ戦略港湾の積替機能強化による「集貨」、港湾背後における貨物の創出による「創貨」、ヒトを支援する AI ターミナルの実現による良好な労働環境と世界最高水準の生産性の創出や、大水深コンテナターミナルの機能強化等による「競争力強化」の3本柱からなる国際コンテナ戦略港湾政策を推進するとともに、港湾運営会社の運営開始から一定期間経過したことを踏まえ、港湾運営の効率化や生産性の向上等の実績を検証しつつ、国による出資の成果を総括したうえで、経営目標に係る測定指標の再設定等の必要な見直しを行う。また、穀物等を安定的かつ安価に輸入するため、国際バルク戦略港湾において、船舶の大型化に対応した港湾施設を整備するとともに、企業間連携による大型船を活用した効率的な輸送ネットワークの構築に取り組む。
新型コロナウイルス感染症の流行により、国際航空物流の重要性が改めて認識される中、航空物流の拠点である空港の機能強化に向けて、成田国際空港 C 滑走路の新設等を進め、首都圏空港全体での年間発着容量約 100 万回の実現を目指すほか、国際拠点空港である関西国際空港、中部国際空港の機能強化、及び福岡空港の滑走路増設等による一般空港等の機能強化を推進する。