ロジスティクス評価指標
(1)経営目標とロジスティクスの関係
企業は、利益および成長性を求めて活動しています。
企業内のすべての業務は、その目的に沿うことが望まれており、ロジスティクスも例外ではありません。
経営効率指標とロジスティクスの関係を理解することは、経営トップのロジスティクスへの理解を促すためにも役立ちます。
(2)ロジスティクスに関連する経営指標
①ROA
ROAとは、総資産利益率と訳され、会社の総資産を利用してどれだけの利益を上げられたかを示す数値になります。
ROA(%)=当期純利益÷総資産×100
②ROE
ROE(自己資本利益率)は、株主資本利益率ともいわれています。「その株に投資してどれだけ利益を効率良く得られるか」ということを表します。
ROE(%)=当期純利益÷純資産
③CF(キャッシュフロー)
「キャッシュ・フロー」とは、簡単にいうと「お金の流れ」のことです。
「キャッシュ・フロー計算書」とは、会社がどのようにお金を得てどのように使ったのかを、まとめた表で上場企業にのみ作成が義務づけられています。
・キャッシュギャップ
キャッシュギャップは、企業におけるキャッシュフローを分析する指標です。
キャッシュギャップ=在庫日数+売掛金回転日数ー買掛金回転日数
ロジスティクスが関与するのは棚卸資産(在庫日数)、買掛金(買掛金回転日数)、売掛金(売掛金回転日数)となります。
(3)評価指標の選定
経営指標に関係づけて設定されたロジスティクス評価指標は、さらに具体的な活動施策とそれを評価する指標にブレイクダウンする必要があります。
評価指標の設定は多角的でなければなりません。
たとえば出荷効率のみを追求すると、スピードを優先するあまりにミスや破損が増加する危険性があります。
出荷効率を指標として設定する場合、出荷ミス率や出荷時破損率を同時に設定する必要があります。
管理の観点には、品質、リードタイム、コスト、生産性、安全、法令順守、環境などがあります。